2014年1月20日月曜日

Traceを使用してログを出力するときの設定例(TraceListener)

.Netでログを出力するときの選択肢の1つとして、System.Diagnostics.Traceクラスを使用する方法があります。
この時のアプリケーション構成ファイルの記述例を記載します。
テストプログラムとして、次のプログラムを使用します。

namespace TraceTest 
{
  using System.Diagnostics;
  
  public class TraceTest {
    
    public static void Main(string[] args) {
      Trace.TraceInformation("TraceInformation");
      Trace.TraceWarning("TraceWarning");
      Trace.TraceError("TraceError");
    }
  }
}

次にTraceListenerの設定例を記載します。

<configuration>

  <system.diagnostics>
    <trace autoflush="true">
      <listeners>
        <clear />

        <!-- 標準出力 -->
        <add name="console"
             type="System.Diagnostics.ConsoleTraceListener" />

        <!-- 区切りリスト -->
        <add name="delimited-list"
             type="System.Diagnostics.DelimitedListTraceListener"
             initializeData="DELIMITED-LIST.log" />

        <!-- イベントログ -->
        <add name="eventlog"
             type="System.Diagnostics.EventLogTraceListener"
             initializeData="Application" />

        <!-- テキストファイル -->
        <add name="file"
             type="System.Diagnostics.TextWriterTraceListener"
             initializeData="TEXT-WRITER.log" />

        <!-- XML形式 -->
        <add name="xml-writer"
             type="System.Diagnostics.XmlWriterTraceListener"
             initializeData="XML-WRITER.log" />

      </listeners>
    </trace>
  </system.diagnostics>

</configuration>
参考
<trace> の <listeners> の <add> 要素

2014年1月13日月曜日

FormでShowing/Hidingイベントを実装

System.Windows.Forms.Formにありそうでないイベントの一つに、表示前/非表示前イベントがあります。
なければ作っちゃえということで、SetVisibleCoreをオーバーライドして実装してみました。
処理の流れは以下のようになります。

  1. 引数と現在のVisibleを比較し、等しければイベントを発生させずにSetVisibleCoreを呼んで終了する。
  2. 引数がtrueのとき、Showingイベントを発生させる
  3. 引数がfalseのとき、Hidingイベントを発生させる
  4. 2,3の結果、CancelEventArgs.Cancelがtrueのとき、引数を逆にしてSetVisibleCoreを呼び、終了する。
  5. SetVisibleCoreを呼び、終了する。

なお、注意点として、SetVisibleCoreでShow/Hideメソッドを呼ばないこと、Visibleプロパティを更新しないことがあります。これらに違反すると、StackOverflowExceptionが発生してしまいます。

サンプル


参考

Form.SetVisibleCore メソッド

2013年7月21日日曜日

CからC#を呼ぶ面倒な方法の1つ

今回は、CからC#で作ったDLLを呼ぶ方法について書きます。タイトルにも書きましたが、かなり面倒なやり方なので、みなさんは頑張って回避してください。

さて、手順は次のようになります。

  1. C#でDLLを作成する
  2. 上で作成したDLLをレジストリへ登録する
  3. Cでプログラムを作成する
C#でDLLを作成する
Cから呼び出されるライブラリをC#で作成します。

DLLをレジストリへ登録する
警告が出ますが気にしない。だってサンプルですもの。

Cでプログラムを作成する
さあ、ここからが本番です。先ほど登録したDLLからクラス名とメソッド名を指定してオブジェクトに働いてもらいましょう。大まかなイメージはJavaやC#のリフレクションに近いです。

  1. 初期化
  2. クラス名からCLSIDを取得
  3. インスタンス作成
  4. IDispatchへキャスト
  5. メソッド名からDISPIDを取得
  6. パラメータの設定
  7. メソッドの呼び出し
  8. 終了処理
ここで注意が必要なのが、パラメータの設定です。適切なVariantTypeと適切なプロパティを選ばなくてはいけないところ、さらに、パラメータの順番が逆転するところに注意してください。

お疲れ様でした。

2012年12月6日木曜日

WicketでWebSocketを使ってみた

Wicketの6からWebSocketに対応したらしいので使ってみた。

  • 作ったもの
  • 感想
  • 引っかかったところ
作ったもの
簡単にいうと、チャットアプリケーション。
メッセージをAjaxで受け取り、チャット参加者へWebSocketでpush通知する。
クライアント側はjQueryで受け取ったメッセージをDOMへ追加する。

引っかかったところ
IWebSocketConnectionにはComponentをaddできない。送信できるのは文字列またはbyte配列。WebSocketRequestHandlerにはaddできるので、WebSocketBehaviorのonMessageで実装すればよいが、それってAjaxとなにが違うのかな?

web.xmlで、サーブレットコンテナに対応したfilterを設定しなければならない。wikiのCustom WicketFilterを参照。

JavaScriptの依存関係を設定しなければいけない。サンプルを参照。

感想
IWebSocketConnectionで送受信できるデータが文字列かバイト配列なので、実際はJSONを送受信することになると思われる。Javaオブジェクトとの相互変換を考慮する必要があると思う。

push通知が動作するまでは、手間がかかる割に動作はAjaxと変わらないのでモチベーションが上がらなかった。が、push通知で画面が更新されるようになると一気に楽しくなった。

やや話はそれるが、JavaScriptのライブラリがjQueryになったのも大きいと思う。

2012年9月23日日曜日

ClojureでDesign By Contract

Clojureでは、関数を定義する際に事前条件と事後条件を定義できます。
この機能を使えば、Design By Contract(契約による設計)を容易に実践できます。

事前条件を定義する
さっそく実験してみます。
「パラメータが文字列であること」という事前条件をもつ関数aを定義しました。

パラメータとして1を渡したときにAssertionErrorが発生しました。

Assertionを無効にする
Assertionを無効にするには、*assert*へfalseをセットします。
この値はコンパイル時に参照されるため、REPLの場合はdefnを実行する前に設定しておく必要があります。
*assert*へfalseを設定してから、上と同じ関数を定義しました。

パラメータとして1を渡しても例外が発生しなくなりました。

例をもう少し
最後に、もう少し実践的な例として日付の比較をする関数を上げておきます。
この関数はCalendar.beforeを呼ぶため、パラメータはCalendarクラスのインスタンスでなければいけません。

事前条件と事後条件をシンプルに定義できるのが素敵だと思いました。

2012年7月30日月曜日

DropDownChoiceでenumを使用する

突然ですが、enumって便利ですよね。
業務で使用する場面としては、"○○区分"というものを表現するのによく使います。
そしてそれを画面では<select>として表示することもよくあります。
このとき、画面に表示するテキストをenum自身から分離するための方法です。

enumを定義する

普通にenumを定義します。

アプリケーションのプロパティファイルに表示する文字列を定義する

型名.フィールド名=文字列の形式で定義します。

DropDownChoiceのコンストラクタにEnumChoiceRendererを渡す


画面ごとに表示するテキストを変えたい場合、以下のようにします。

  1. 画面ごとにプロパティファイルを作成する
  2. EnumChoiceRendererのコンストラクタにPageのインスタンスを渡す



2012年6月26日火曜日

AngularJSとCompojureによる簡単なサンプル

Googleが開発しているAngularJS(以下angular)のバージョンが1.0になったらしいので、サンプルを作ってみました。最近はClojureに対する愛が高まっているので、サーバーサイドにはCompojureを選びました。angular-Compojure間をAjaxで通信することを目標に、一行掲示板のようなものを作りました。clj-anglr

苦労したこと
angularから送ったJSONをCompojure側で受け取るところ。

Compojureのサンプルを検索してすぐに見つかるのはBadのほうだと思いますが、この書き方ではangularから送ったJSONを受信できません。JSONはリクエストパラメータとしてではなく、リクエストのBODYに格納されるため、Goodのように自分でBodyから取り出す必要がありました。

感じたこと
angularのマッピングは快適です。特に$scopeへ追加したオブジェクトを更新すると、何もしなくても画面に反映されるのがすごいと思いました。業務で作っているシステムは頻繁に画面がちらつく・・・。
もう一つ、サーバーサイドにCompojureというのはアリだと思いました。Clojureのデータ構造はシンプルなのでJavaに比べてなんとなく不安でしたが、JavaScriptと通信する時にJSONに変換するのであれば、大して問題にならない気がしました。むしろ、無駄な情報がないために見通しがいいとも感じました。

業務で使うことはまだないと思いますが、なかなか興味深いライブラリでした。